立ち止まる。
吐いた息が、真っ暗な空に吸い込まれていく。
明日は雪だろうか?
星の見えない空を眺めて思う。
歩き続けることに疲れた。
もう何もかもどうでもよくなって、
生きるのさえ投げ出したいと思った。
自分が単純なやつなのは知ってた。
誰かに必要だって言われれば、
何でも頑張れる位。
誰かに棄てられれば、
もう誰も自分なんかいらないと思う位。
難しく考えたって、
自分にはよくわからない。
ただ一緒にいたかった。
なにものでもなくていい。
恋人でも友人でもなくていい。
自分が誰かの何かになるのは怖い。
どうせすぐに他人に戻るのなら、
名前のあるものになりたくない。
ただ誰かと一緒にいたい。
それはわがままなんだろうか?
自分を受け入れてくれるなら、
何でもできるかと言われたら
できないと言いきれる。
そんなに興味はない。
それなら、ひとりでいればいいのに?
たしかにそうなのかもしれない。
天邪鬼な自分に呆れてくる。
未来への鍵があったら?
たぶん探しにも行かない。
過去も今も未来もそんなに変わらないから。
とりあえず、帰るか。
手先が冷えて痛くなってきた。
1/11/2025, 5:25:32 AM