遠野 水

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ステタハズナノニ

日本に帰って真紅の口紅は捨てた
鏡に映った私は魔女の様だった
そう…白雪姫に食べさせる毒リンゴを
1つ作るのに大きな釜で煮えたぎる毒の中でゆっくりゆっくりのの字に混ぜているあの魔女だ
そんな煮えたぎった中にリンゴを入れたら
茹で上がるだろうとのご指摘もあるでしょう
だけど…大きな釜も煮えたぎる毒リンゴも
これは白雪姫の美を妬んだママ母のオモイ…
若さへの嫉妬…老いていく自分を許せない怒り…そんなオモイの毒リンゴを作る魔女の顔をしている
旅行先で買った真紅の口紅、写真にも魔女が写ってた……外国の女性モデルに影響を受けて買った。
鏡に映る自分の顔は嫌いになった
徐々にだけど決定的になったのは60歳になってからだ…「これが今の私なのよ」ふと呟いていた、笑いがコミアゲテキタ…何を言っているんだろう、
だけどまだモガイテイル、若い時の自分を捨てきれない、思いのままにメイクをして着飾って視線を浴びた日々を…似合った髪型もブラウスもスカートの丈も諦めたのに、捨てきれないあと3%…その3%の気持ちでメイクをする
もうナチュラルに見えるメイクなんて
塗った顔ではナチュラルに見えない
良いのよ、仕方ないのよ、あと3%の捨てきれない気持ちでメイクをする……白雪姫を殺した魔女の顔にならないように…ベージュ系の口紅を塗った。

今日のお題は【小さな愛】なのかな?
システムが解らないまま書きました
はじめまして、遠野 水です。
【小さな愛】と聞いて
直ぐに思い出すのは、子供が苦手…否人が苦手な私はどんな場面でも何を話して良いのか解らずにただ佇んでいる、
幼稚園バッグを母親の肩に預けたまま
私の所に来て「あげる」と言って
小さな手に握られたシロツメクサを差し出す
小さな女の子はニッコリと笑って、こぶしに力を込めた手を広げて私の掌にハラハラと落とす
私はハラハラと落ちる花を見つめる女の子の顔を見ていた
女の子の全身から優しさを受け取った
シロツメクサの花言葉は【幸運】
忘れられない優しい思い出だ
きっと忘れられないのは小さな女の子から
人を思いやる愛を感じたからだ

6/26/2025, 12:47:14 AM