乱雑無章

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6. 今一番欲しいもの

欲しいものを聞かれても答えられない。

そして必ず
「お前は贅沢だ。小さい頃から何もかも与え過ぎた。」
と返ってくる。

その通りだと思う。
食べるものも、住むところも、着るものにも困らなかったし、勉強道具も与えてくれた。
両親と一緒に暮らせている。
遊び相手にも困らなかった。妹が生まれてから、家に一人という状況はなかった。
高校を選ぶときも好きにすればとしか言われていない。大学も。

これらを支えているのは親の労働と良心だ。その苦労を考えたこともなく、これが当たり前だと思って育ってしまったから、これから先が不安だ。

何が不安かというと、それだけこれから失っていくものが多いというのが不安だ。

父は何度も入院して手術を受けている。最近金遣いが荒いのは、もう長くないと思っているからではないか。憶測ばかりして何も聞けずにいる。

一番醜いのは、死なないでほしいという気持ちの中には、お金が無くなったら困るという最悪の理由が含まれていることだ。なんて親不孝なのか。

更に、欲しいものが浮かばないということは向上心がないことを意味している。

例えば、かっこよくなりたいという心持ちがあれば、筋肉がほしい、洒落た服がほしいなどあるはずだ。

向上心があるから、必要なものがはっきりする。

堕落しているから、何が必要か分からない。

今も指定校推薦に引っかかればいいやと堕落した生活を送っている。

だから、強いて言えば向上心が必要だ。欲しいわけではないが。

7/22/2024, 1:54:45 AM