ほむら

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かっこよくて優しくて、引く手数多な要素を持った彼に選ばれたことに対して私は優越感を感じる。彼曰く、小さい頃から優しくしてくれて、ありのままの自分を見てくれる存在だから私のことを一途に想っているらしい。だから、他の女性に言い寄られても、彼にはその言葉が届かないのだ。彼にとっての特別になれることがこんなに嬉しいとは思わなかった。

しかし、そんな完璧な彼に対して平凡な自分に私は劣等感を感じる。容姿端麗でもなく、何か秀でたものがある訳でもないごく普通の人間である私が、彼の隣に立っていてもいいのだろうか。私なんかのせいで、彼に恥をかかせてしまっているのではないか、と不安になってしまう。きっと彼にこれを伝えたら、自分を卑下しないでください、と彼は言ってくれるのだろう。

人間とは矛盾を抱え苦しむ生き物だと思うのだが、こんな気持ち誰も分かってくれないだろうと、今日も私はこの気持ちを胸の奥にしまい込んだ。

テーマ「優越感、劣等感」

7/14/2024, 3:22:51 AM