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人間は、完璧でなくていい。

とある外国の絵本に、自分の欠けた部分を探しに
旅に出る、というものがある。
その「ぼく」は、円形のはずが、一部が欠けていてそれは幸せじゃない、とその欠けた部分を探しに
転がっていく。
何せ、完全な丸ではないので、早く転がることが
できない。でもだから、花のにおいを嗅いだり、蝶が自分にとまってくれたり、そういうことを楽しみながら進んでいく。雨に降られ、野を超え山を超え、「ぼくは欠片を探してる」と歌いながら。
そして、ついにピッタリの欠片を見つける。
「やった!」とその欠片をくわえて転がり始めるけど、今度はあまりにも早くて、花のにおいも嗅げないし、蝶がとまることもできない。歌おうにも、口が埋まってしまったから、それもできない。
そして「そうだったのか!」と気づき、欠片をはずして、また転がり始める。「ぼくは欠片を探しに
行くんだ」と歌いながら。

誰もがみんな、欠けた部分を持っている。
欠片を見つけるまでには、いろいろな出来事があるだろう。そして見つけたとしても、必ずしも満足のいく結果になるとは限らない。
だから、
人間は、不完全でいい。
きっと、それでいい。

                「不完全な僕」

8/31/2023, 12:47:31 PM