嫌い、あなたが嫌い。
小さい頃から隣の家で、いつも一緒に登下校。クラスも部活も一緒のあなた。
あなたはわたしよりも少し可愛くて、わたしよりだいぶ背が高い。わたしよりも頭がよくて、わたしが弾けないピアノが弾ける。部活は一緒にレギュラーだけど、わたしより上位に入賞する。
わたしだってそんなに悪くはないんだよ?あなたと違うクラスの時はクラス委員に選ばれるもの。
だけどね、あなたといると惨めになる。何をやってもあなたには勝てない。誰かが言っていた。あなたはわたしの上位互換だって。上手いこと言うなって可笑しくなっちゃった。
可笑しくて可笑しくて、思い出すたびに涙が出るほど笑ってしまう。涙が止まらなくて、布団の中で声を殺して泣いてしまう。
だけどあなたはいつも眩しい笑顔を向けてくれる。真っ直ぐにわたしを好きだって、親友だって言ってくれるね。
こんなにあなたへの嫉妬でぐるぐると醜い心の中も知らずに。
高校は遠くへ行って寮に入るんだ。
あなたとは滅多に会うこともないでしょう。弱いわたしはあなたから離れることでしか、笑うことができそうにないの。
今までそばにいてくれてありがとう。
親友でいてくれてありがとう。
大嫌いで、大好きで、大切なあなた。
#6 2023/11/7 『あなたとわたし』
11/7/2023, 11:52:27 AM