「愛があれば何でもできる?」
ロバートは笑いを含んだ声で僕の言葉を復唱する。
それからひとしきり笑った後、右手で持った木製ジョッキを口元に上げ残りの酒をぐいっと飲み干した。
ドン、と空のジョッキと共に右手をテーブルに振り下ろす。
「もう二度と、そのしけたツラ見せに来んな」
僕は明日のうちにとある女性とどこか遠くの場所へ夜逃げする。駆け落ちというやつだ。そして二度とここには戻ってこない。友人のロバートともこれから会うことはないだろう。
酒場から出て夜風にあたった。麦が実る季節でまだそこまで外は暑くない。
酒場の前で突っ立っていると友人が扉から出てきた。
「まだいたのか」
「居ちゃ悪いかよ」
全然、と彼は笑いながら言う。
何故かはわからないが、今日は特によく笑う奴だ。
ロバートは僕から目を逸らして月を見ながら言う。
「俺は以前からお前がロマンスに脳を焼かれたバカだと知ってた。だが実際にお前を見てると想像以上に面白かった」
「喧嘩売ってんのか」
「バカ言え、俺はお前を応援してやってんだよ」
彼は僕をニヤニヤしながら睨みつけた。
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※注意 BLも愛に含まれるなら、ロバートも一緒に駆け落ちするかもしれない。
愛があればなんだったできるしね!
5/16/2026, 1:09:42 PM