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 先輩は懐いた猫のように私の膝枕を強請る。
「ねぇ。いいでしょ?」なんて図々しく首を傾げてみせた。さらりとした長い髪から覗く耳朶は少し染まっている。ふてぶてしさも補強してしまうほどの愛らしさ。美人というものは卑怯だ。翻弄されているというのに、風船みたいなふわふわとした心地になる。意地悪で狡いこの人は分かっていて、愉しんでいるのだろう。それが少しだけ癪だった。

2/2/2023, 4:57:03 PM