君は正義のヒーローだ。
僕は今から君を殺す。僕は悪役だから。
何度も何度も倒されて、負けて、周りから虐められ
平凡な生活も送れず、見返したい一心でここまで来た。
……けども、なんなんだ。この気持ちは、
殺したくない。あれだけ毎日毎日戦って、負かされたのに
それでもきっと僕はどこかで君に憧れていたんだろう。
トドメの一手がなかなか刺せない。
「…何泣いてんの。」
君は…ヒーローはそう言った。 大馬鹿者だ。
「君だって泣いてるだろう。」
…ヒーローは泣いていた。負けるから?殺されるから?
違う。僕が君を殺せない……
ヒーローを殺せない理由を感じ取ってしまったから。
…きっと、悪役だとかヒーローだとか以前に
僕は君に憧れていたんだろうなぁ。
僕の心は君を殺す事を止めようと必死だ。
これが、僕の心なんだろう。
「…今までごめんなぁ。」
泣きながらそう言った。…この世で1番重たいごめん。
和解の言葉だった。
…遂に僕はヒーローを、殺した。
ずっと、本能が望んできた事なのに
達成した今、快感なんて存在せず、
ただ罪悪感と消失感に沈められた"僕の心"だけがあった。
3/27/2026, 12:15:54 PM