アオイ

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僕の家は金持ちだ
母はとある病院の院長の一人娘 父は腕が立つ外科医
両親は政略結婚だった、らしい

僕も医者になるため昔から勉強漬けの日々だった
学校 課題 テスト 家庭教師 毎日勉強に明け暮れた

それが当たり前だった 他の道なんか知らなかった

その日は早く目が覚めて、どうしても眠れなかった
気分転換に近くの公園まで散歩することにした

近くまで行くと公園の方からなにか聞こえた
気になって少し早歩きで公園まで進んだ
そこに居たのは僕と同じぐらいの年の少女だった

ベンチに腰掛けて、心底 楽しそうに歌っていた
僕は音楽に詳しくなかったけど 聞き入ってしまった
歌い終わった彼女に声をかけた

「その歌 素敵だね、なんて曲なの?」
僕に気づいておらずびっくりしつつも答えてくれた
『え この曲?名前 まだつけてないんだ〜』
「もしかして、自分で作った歌なの?」
彼女はちょっと照れたようにこくりと頷いた
『歌が好きなんだ 歌うのも作るのも』
『また聞きに来てよ、晴れの日は練習してるから』

この日から僕は早起きが習慣となった
彼女が引っ越す日まで、ずっと歌を聞き続けた

これは僕の大切な友達の思い出

【友だちの思い出】

7/7/2023, 5:22:53 AM