青羅紗

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「空が泣いてる」と君が呟いた。
初めてのデートは、生憎の天気だった。
サァ、と降り出した雨はだんだん強くなり、君の服をシットリ濡らした。

「ほら、虹」
案外雨はすぐに止んだ。
艶々と輝きを増す木々、空に浮かぶ薄い雲、濡れたアスファルトに写る君の影。
その全てが君を形作る光のように見えた。

9/16/2024, 10:40:32 AM