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「もっと知りたい」

⚠️ヤンデレ表情有り。苦手な方は自衛をお願いします。



好きな人の事は無性に知りたくなってしまうものだ。好みの食べ物、髪型、体型、服装。

もっと知りたい。もっと、もっと。
君の全てが知りたい。
薄暗い部屋で呟く僕の姿を君はきっと想像もしないだろう。

『ねぇ、今日一緒に帰んない?』
ある日の放課後君に言う。

「え?」
目を見開く君は、僕がこんなことを言うなんて想像もしてなかったみたいだ。

『いや、やらなきゃいけない書類があってさ。君、学級委員でしょ?手伝ってよ。』
断る隙を与えないように、淡々といった。

「いや、でも。」
戸惑ったようにきょろきょろと視線を動かす彼女。あぁ、愛おしくて堪らない。溢れ出してくるおもいをそっと抱きしめる。

『お礼に君の好きなスイーツでも食べよ。駅前に新しいお店が出来たんだよ。』

そう言うとぱっと、彼女は目を輝かせた。
君が甘党だって事ぐらい僕は知ってる。そして人の頼みを断れないってことも。

いいよ、行ってきなって。ほら、折角さ...
彼女の友達の声だろうか。本当に邪魔だ。彼女に話しかけるのも彼女の顔を見るのも僕一人で充分だと言うのに。
でも、ここまで計画通りだ。

やがて納得したように此方に歩いてくる。
「じゃあ、一緒に帰ろ。」

『ありがとう。』

暫く歩いた所で彼女が足を止めた。

「ねぇ、何処までいくの?此処って、」

『んー?』
ここはさ、僕の家なんだよね。

「書類は?」

『なに、それ?』

ここで初めて恐怖を抱いたのか走り出す彼女。
でも、

これも計画通り。

『ここさー、行き止まりなんだ。君が通ってきた道結構入り組んでたでしょ?この時間帯は人通りも少ない。』

良いね、僕がこう言った時君はそんな表情をするんだ。もっと、もっと知りたい。

『君のこともっと知りたいな。これから2人でお互いの事沢山知っていこうね。』

ポロポロと泣き出す彼女をそっと抱きしめる。
これからの生活が楽しみで嬉し泣きしちゃったのか。

可愛い可愛い小鳥はもう僕の腕の中。1度堕ちてしまえば正気を取り戻すのは難しい。

『もっと、知りたい。』

3/12/2024, 1:32:33 PM