手帳の隅に書かれたメモ

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「うわっ………びっくりしたぁ…ラーレ、まだ寝てなかったの?」

ふと手元から目線をはずしラーレの巣を見上げると、まばたき1つせずこちらを見ているラーレと目が合った。

「ふふ、夜行性だねぇ、私と一緒だ。おいでよ。」

腕を伸ばすと素直にやってきて頭をすり付けてくる仕草が愛しくて、反対の手で頭を撫でてやるとその手のひらにぴとりと頬を寄せてくれた。

「見て、ここまで編んだんだよ」

不思議そうに見つめる瞳に優しくもうすぐ編み終わるマフラーを見せてみる。
ちょっと濃いめの赤くてふわふわな肌触りのマフラー。

「誰のだと思う?…ヒント。私のは去年買ったクマのマフラーがあるでしょ?あれね、しゅうちゃんも同じの持ってるんだよ。…だからこのマフラーは………ラーレとテムズのおそろいなの。」


完成して2羽がおそろいのマフラーをしているのを想像する。………あぁ、なんて可愛いのだろう。
今年は寒くなるのが早そうだし、早く完成させたいけれど。ラーレに合わせてみるとどんどんオプションを付けたくなっていく。


「ふふ……飾りのリボンとかも付けちゃおうかな。テムズ嫌がるかな?ラーレはリボン好き?」


それからしばらくの間、静かで、でも楽しげな声が寮の廊下まで優しく響いていた。




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11/8/2025, 9:29:47 AM