谷茶梟

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いつまでも捨てられないもの
(ワールドトリガー夢創作)
小学生の頃、鉛筆を集めるのにハマっていた。色とりどりの柄を集めるのが好きだった。削るのが勿体無くて、大体がそのまま残っている。なんとなしに仕舞っている箱から鉛筆を取り出して、眺める。一本だけ、削られて短い鉛筆がある。
(貰ったんだよな〜まだ残ってたか)
失くし物の多い自分が、失くさずに残していたことに感心する。ま、大事にするのも無理はないか。初恋の人に貰った鉛筆だし。
(鉛筆なんて、もう使わないんだけどな)
短い鉛筆を、普段使う筆箱に移す。特に意味はない。意味は要らない。見つかったとしても、あの頃好きだったよと笑顔で言えるし。懐かしくて、残ってて嬉しくなっただけ。それだけだよ。

8/18/2023, 9:21:31 AM