『疑問』
彼は夕日を見つめていた。その背中がなんだかいつもより重く見えて、声をかけるのをためらってしまう。私がいるのを気づいていたのか彼が「なぁ」と言葉を発した。
「…なぁに?」
「あと何回この夕日を見られると思う?」
その問いかけに答えらない私を置いて、彼は言葉を続ける。
「いつまでこの生活を続けられる?いつまで俺は戦い続けられる?……俺は本当にあいつに勝てる?」
こちらに問いかけているように思えたが、それは彼の自問自答に近いように感じた。何か嫌な気配が背中を撫でる。
彼の名前を呼び、腕を掴んでこちらに向かせた。でも彼の目はいつもより虚ろで、目が合っているはずなのにまた別のものを見ているようだった。
完全に夕日が沈み、暗い空が私たちを包んだ。辺りが暗くなったことにより、彼がどんな表情をしているのかもうわからなかった。
【沈む夕日】
4/7/2026, 1:23:08 PM