さてと

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都会で雪が降ると
「あ、雪、、。」と
あちらこちらから、小さな驚きの声が聞こえる。その声の成分には少しだけ嬉しさが含まれている。小さな喜びは人波に伝染し、都会に流れる忙しい時間を少しだけ止めてくれる。

空を見上げることが少ない都会の大人たちにとって、雪はタイムマシーンだ。
ちらつく雪に、しかめっ面はほぐされ、真顔は無邪気さを思い出し、大人たちは童心にかえることができる。雪が止むまでの束の間の時間だけ、タイムマシーンは自分が大人であることを忘れさせてくれる。
雪道で滑って転んだり、小さな雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、冷たい手を温めあったりする。

明日になって雪が溶けたら、なにもかもなかったかのような顔をしてるけど、夕べ転んだ傷がちゃんと痛いからタイムマシーンは夢じゃなかった。

1/7/2026, 3:40:15 PM