「また明日」
明日、いやこの後、いまこの瞬間に生きていることが奇跡なこの世界で人はその言葉を発する。
しかし人は「それ」をほぼ流れ作業のように話す。
だが「それ」は知っている。
彼らが心の奥の彼らでさえ気づかぬ場所で、また明日も生きてあえるように、また明日、笑顔で会えるようにと相手、そして自分への願いとして発していることを。
だから「それ」は口からふっと出てくるその音に合わせて、そっとまじないをかける。
彼らがまた明日も会えるように。そして、笑顔で会えるように。
5/23/2024, 9:38:26 AM