[202x年。某国の高層都市部]
とあるホテルで行われる会合。豪華な食事に舌鼓を打つ各国VIPたち。
司会の男
「今回のアジェンダもビジネスとして思いの外、大成功を収めました。これも一重に皆様のご尽力の賜物です」
一同は立ち上がり、拍手喝采👏
司会の男がリモコンを操作すると、天井から大きな薄型モニターが降りてくる。
「今夜は皆様に取っておきの映像をご用意いたしました。ぜひグラスを片手にお楽しみ下さい」
映像は世界各地で起こる戦争の様子に始まり、炎に包まれる都市や工場地帯。その火の中をものとせず進撃するメタリックな身体をした兵隊たち。
そして抵抗虚しく、拘束・連行される市民の行列…家族と引き離され泣き叫ぶ子供。
そういった惨劇をまるで感動的な映画のように夢中で観るVIP席。
[会場のロビー]
警備やボディーガードたちが交代で一息入れている中、自販機そばのソファーに腰を降ろすサングラス・黒スーツの女性。
(…本当に虫唾が走る。ここのタイムラインはもう手遅れかしら。何か情報を持ち帰りたいけど…(-_-;)
それにしても酷い仕打ち。もう市民から十分過ぎる富を奪い取ったでしょうに。奴らはお金以上に欲しているものがあるように思えてならない…)
「ん?」
ふと視線を感じ振り向く。
「誰⁉」
「え!?」
びっくりして目を覚ましたユウキ。いつもの天井だった。
(何だろう。イヤな夢だった。思い出せないけど…)
「ユウキ、いつまで寝てるの?」
「え!8時⁉」
[青空三高・職員室]
先生に呼ばれたユウキ。隣にナツキもやって来た。
ユウキ「あんた、どうしたの?」
ナツキ「昨日ゲーセンでスロット壊して…(~_~;)」
ユウキ「何やってんだか、もう┐(´д`)┌」
先生「おい?他人の事より自分のことだぞ北岡〜
(-。-)y-」
[放課後・古本屋]
中古ビデオコーナーをまわるタマキ。
「あ、タマキちゃん!^_^」
「あれ、ケイトさん。珍しいですね?」
ジャックの秘書をしているケイト・シュナイダーがやって来た。
「うちのボス見なかった?」
「いいえ。今日は来てないみたい。一緒じゃないの?」
「巻かれたの…不覚(-_-;)
タマキちゃんは映画探してるの?」
「エリミネーターって、何年か前にやってたんだけど、まだ観たことなくて」
「続編やるもんね。いいタイミングだわ」
ケイトは懐から映画のチケットを出してきた。
「あ!エリミネーター2!🎫」
「特別招待券よ。クラスの子たち誘って観に行ってらっしゃい(^o^)」
「ありがとう!なおさら1を探さなくちゃ…(^_^;)」
3/9/2023, 12:25:11 AM