隠された真実
僕は君を愛していた。
だから君が恋を否定するたび、僕はそれを否定した。
それが僕の答えだった。
でも、君はあの娘を好きになった。
なんで僕じゃなかったんだろう。
君の一番の理解者は、僕だったはずなのに。
君があの娘を想っていると知ってから、僕は少しずつ変わった。
最初に、あの娘に告白した。
彼女は僕のことをもともと好いていたらしい。素直に喜んで、僕からの告白を受けた。
「僕って最低だな」
そう思ったけれど、止められなかった。
君が誰かと幸せになるのが、ただ怖かった。
それだけだった。
僕とあの娘が付き合い始めたと聞いても、君は笑っていた。
不思議だった。
あの娘が好きなんじゃなかったのか。
違ったのか。
それとも、僕は君にとって――
嫉妬するほどの相手でもなかったのか。
1週間後、君が死んだ。自殺だった。
遺書には、あの娘の名前はなかった。
世話になったことへの礼と、死後の片付けを頼むということ。あと最後に、一行だけ。
「もっと早く死ぬべきだったのに、なぜ今まで生きていたのだろう。」
僕は泣けなかった。
泣く資格も、なかった。
結局、僕は君を追い詰めて殺してしまった。
ただ愛していただけなのに。
あの日から、今日で12年になる。
僕は君のいない世界で生きてきた。
それも今日で終わりだけど
結局、僕は君しか愛せなかった。
7/14/2025, 9:10:20 PM