世見しぐれ

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先生が指揮を執るために腕を上げる瞬間が、
一日の中で最も心が躍る。
目の焼けてしまいそうなほど眩しい夕日が、
音楽室をオレンジ色に染めていく。

管楽の織り成すメロディに包まれているこの瞬間が、
一日の中で最も幸せ。
黒板に書かれた沢山のメッセージを見て寂しいような、
切ないような気持ちになる。

心躍る日々も、あと少しでもう終わり。
これから私は、また別の心躍るものを探す旅に出るのだろう。

引退間近の吹奏楽部員より。

10/10/2024, 5:18:04 AM