真っ暗闇の中、僕は体を縮こませて横たわる。
何重にも重ねたジャンバーも布団も寒さを紛らわせることなんてできない。
凍えた自分の息ですら、頬に当たって冷たくて死にそうだ。
「……本当に死ぬのかな」
太陽が爆発して、どれくらい経っただろう。
地上に届かなくなった熱のせいで、生き物は次々と倒れた。
僅かばかり残った者たちが地下に逃げたものの、所詮人間が逃れる部分は、地表に近いところだ。
奪われるしかない熱をどうにかしてこの身の中に堪えて、ぎゅっと力を込める。
「それでも……明日も生きたい」
そう呟いてから、僕は瞼をゆっくり下ろした。
「凍える世界」/明日世界がなくなるとしたら、何を願おう
5/6/2023, 2:51:14 PM