花咲伊織

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「お父さんこのアイスは明日たべる!」

この言葉を口にした、当時小学2年生だった私を今でも恨んでいる。

私は病気の父と2人で暮らしていた。
私のために仕事を頑張ってくれている父には感謝しかなかった。仕事から帰って、急いでご飯を作って、私をお風呂に入れて、寝かせるまでを男手ひとつでしていたのだ。
そんなとき私は、お父さんが家事をしているときもゲームをしたり、休みの日には友達と遊んだりもしていた。
そんなある日、父は亡くなった。

私と父はお風呂上がりにアイスを食べるのが日課だった。冷蔵庫を開けるといつもストックがあるのにその日はなかった。明後日買い物に行くと聞いていたから今日は我慢しようと思って、明日食べることにした。
明日なんてないのに。

なんで気づかなかったのだろう。

仕事を休んでいたこと。家事の途中休むことが増えたこと。出かける回数が増えたこと。

父は全部わかっていたのかもしれない。もうこの先長くないことを。

あたりまえの日常が、あたりまえではなくなったその日から私には後悔しか残らなくなった。

もっと手伝っていたら、もっと病気のことを気にしていれば、もっと生きていたのかもしれない。


私は父のいる遠い空に問いかけた。

後悔しかない人生をこの先どう生きればいいですか。




4/12/2026, 2:56:34 PM