溢れ出す言葉

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疲れ切っていた。
もう眼球が潰れて溶けてしまいそうなくらい、
たくさん目を開けていた。
もう閉じきって目も耳も
そうしていたかったけど、
今、夜中の黒い道を濡れて歩いてる。
靴の水の音がどんどん運を侵していくみたいで。
私って一体どれだけ頑張らなきゃいけないんだろうって
考えてしまう。
共感とか同情とかしなくていいよ。
みんな辛いのを知ってるから。
みんなみんなそれぞれ大きさはともあれそれぞれの基準での悩みを持っていて、
それに、どれほどかは知らないけど悩まされている。
周りがもっと良かったらって思うけど、
周りがみんな疲れていくんだね。
私だけじゃない。
そう思ったあと、また自分を侵す苦しみに耐えて。
もうそんな我慢しなくていいんじゃない?
はっきり辛くなってもいいんじゃない?
って思う。
でも、いっつもそうだから。下ばっかり見て
顔を隠して、声を抑えて、意見も欲も抑えて。
説教ばかりうまく聞けるくせに、まったく行動にならない。
そんな私のことを気にもしない天気は、なんだか
不平等に思うけど。
みんな小さいことから色々考えて、同じ人間で。
同じ時に雨に濡れているんだなぁ。
そう思った。
家に帰って、やがて雨が止んで。
でもまだ曇った嫌な空で。
辛いんだなって。いつだって辛いんだなって。
楽しいことなんて一つもないかもしれない。
でも、頑張ってみようって思った。
どこにも拠り所なんて感じられなかったけど、それでも
自分の解釈の仕方ごときでどうにだって歩けるし、
笑うことができるんだって。
何したって自由なんだって思った。
変なタイミングで、ふとそう思った。

9/27/2023, 4:16:34 PM