夜歌

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 触れたいと思った。こんな丸裸の感情を抱いたのは初めてだ。まるで純情と劣情を行き来するような、光が散っては集まる感覚だった。心のままに掴もうとするも、途中で思い止まる。己の手は汚れてやしなかっただろうか。今更どうしようもないことが気になって、尻込みした指先が静かに垂れる。「いくじなし」向けられた鋭い指摘は、耳心地の良い柔らかな響きを持っていた。

 嘘を吐いた。本当は言葉も欲しい。ただ、今は語られる文字の羅列ごと、飲み込んでしまおう。


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言葉はいらない、ただ・・・

8/30/2023, 8:29:42 AM