哀愁をそそる背中
失礼だが、
ふと
そう思ってしまった
まだ30になって間もない
彼女の後ろ姿を見て
哀愁を感じたのは
既に軽く丸まった小さな背中が
この先さらに丸まっていくのだろうと感じたからだ
しかしどうしてそんな未来のことを察するのか
彼女が振り向いて私を映す
その目が三日月のように弧を描くと
訳を理解する
私がこの先も彼女の隣にいる未来を見据えているから
今夜帰宅したら肩甲骨はがしでもしてあげよう
私とあなたの将来が、
末永く
背骨のように緩やかに優しく伸びゆくことを祈り
私はその笑顔に応えるようにして近づき
その背中に手を添えた
11/4/2023, 11:11:22 PM