郡司

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お祭り

鎮魂のまつり 清め幸うまつり 豊饒感謝のまつり
私の暮らすまちでの、社のまつりはこんなところ。他にイベントとしての花のまつり、商工会主催のまつり、広域参加の収穫と食のまつり、雪でいろいろ作る冬のまつり。

「お祭り」という言葉に、うちの子ども達がワクワクするのは、もちろんテキ屋の出店や花火大会だ。上の子どもがまだ小さかった頃、「お祭り=出店」以上の行事であることを知ってほしいと考え、6月の護国神社祭に催される奉納の雅楽演奏にも連れて行った。本殿前での奉納だから、お詣りもすぐできる。

暑い日だった。境内も当たり前に暑い。日陰に子どもを連れて、そこから奉納楽を観ることにした。奏者達のすぐ横には戦没者遺族席が設けられていて、そこから少し離れた位置だった。

奉納楽が始まると涼しくなって、天気が崩れ出したのかと私は空を見上げた。昔からこの祭りには涙雨がついて回る。雨が降るなら場所を変えねば、と考えた。…が、空は晴れて青い。本殿前の風はますます冷たくなっている。子どもも寒がり始めた。確かに寒い。半袖で居て良い状況ではない。風邪ひいちゃたいへんだ、と考えて、子どもを連れ帰ることに決め鳥居に向かった。本殿前には門があり、そこから鳥居方向へ出ると、むあっと暑さに包まれた。相変わらず空は晴れて太陽は輝いている。振り返って見る本殿前の奉納楽は続いている…

子どもは鳥居前の出店の並びにたちまち気を取られて私の手を引いた。さて仕方ない、楽しい思い出のウェイトを大きくしておかないとな。子どものうちは悲しみ深い報恩の祭りより、もっと明るい祭りが良いようだ。…その度に財布が痩せるけど…

7/29/2024, 3:02:05 AM