次郎

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『忘れたくても 忘れられない』

忘れたくても、忘れられない思いは

誰にだって、心の中にあるもので、

それは、石のように

とても重いものだろう。


転がす事も、その石を砕く事も簡単には出来ない。


きっと、一生その石は、

そこにあって、

その石につまずかないように

気をつけるしか出来ない位になって行く。


忘れたくても、忘れられない。

忘れたと思っても、

石はそこにあるのだから、

また、つまずいて、転んで痛い思いで

思い出すはめになる。


だったら、私は思う。

その心の石に

標識を立てたらどうだろうかと。

標識があれば、

その石につまずく事もなくなる。


恥ずかしい思い、苦しい思い、悲しい思い、

人によって、

きっと、その石の形も重さも大きさも違うけれど、

持っていない人などこの世には居ないのだから、

標識を立ててしまえば良い。


自分の好きな言葉、好きな人の顔、

好きな景色。

どんな標識だって良い、

心の中に、一瞬でも立ち止まれる場所があれば

きっと、足元の石に気付く事が出来る。

それに、もし、疲れたのなら、

その石に座って休憩するのも良い。


つまずく前に気付けたのなら、その石を

あっさりと越えて行けるだろうし、

もし、石と向き合う事が出来たのなら、

案外、

忘れたくても、忘れられない思いは

良い方向へと

変わっているのかも知れないから。

10/17/2024, 1:13:08 PM