せつか

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夏は嫌い。
半袖にならなければいけない夏が、みんなと一緒に水着に着替えなければならないプールの授業のある夏が、大嫌いだった。

半袖になることに抵抗が無くなったのは、自分で子供の残酷さに対処する術を得てからだ。
それでも子供の頃の夏の記憶のせいで、極度に「人からどう見られるか」が気になる大人になった。
うっかり服にジュースでも零そうものなら、その日一日憂鬱になった。そこばかり気にして、通りすがりの人がそれを目にして笑うのでは、とか、そんなことばかり気になった。

夏は嫌い。
でもそんな昔のことをいつまでも引きずってる自分 は、もっと嫌い。


END

「夏」

6/28/2024, 3:13:13 PM