君がこの街にいた痕跡を探し続けていた。長い旅路のほんの少しの時間、同じ空気を吸っただけ。君の海馬に少しでも爪痕を残せただろうか、と考えるのは傲慢なことだろうな。東京はもう桜が散ったらしいが、知ったことではない。君を記憶にしないため、今日も残像と暮らす。この先ずっと一緒だって構わない。妄想だって構わない!そう思っていたのに、君の痕跡を見つけて、膝から崩れ落ちてしまった。桜が散り始めていた。
4/15/2025, 10:32:16 AM