よらもあ

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黄道十二宮のうち7番目、天秤宮の主人。

黄道十二星座において最も若輩であるてんびん座。
生命宿る生体でなく、正義の女神アストライアーの秤。
単体の由来は語られず、時すら測ると言われるも云われは定かではない。
その姿を指し示す星でさえ、一部はさそり座のものであったという。
物であるが故か、天秤宮に自然物は少なく画一的に建造物が配置されているのみである。


それでいい。


黄道十二星座のうち最も若輩であるというが、それは何より未来ある星座であるからだ。
女神の添え物としてあるだけでなく、特別に天に上げられた名誉ある秤である。
善悪を測るだけでなく、昼と夜に限らず、全ての物を平等に指し示す象徴に変わりはない。
元がさそり座の一部であったというが、今や誰しもが認める己の秤である。
均等のとれた輝かしく美しい星々の宮は、天秤宮以外には存在しない。


天秤宮の主人は、今宵も星の宮で優雅に微笑んでいる。



“それでいい”

4/4/2024, 4:46:32 PM