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書く習慣:本日のお題「好きじゃないのに」

好きじゃないのに好きだと誤解されていることがある。
メイクとファッションだ。

ヨーロッパの古い城の写真を眺めるのと、王侯貴族を描いた絵画やその解説文を鑑賞するのが好きだ。だからといって自分が煌びやかなドレスを着たいわけではない。

綺麗なものを見るのと、自分がそれを身につけるのは別の話だ。リップやアイシャドウにつけられた色の名前を読むのは好きだが、それを顔に塗ったら気分がアガるかと言われたら必ずしもそうではない。

子どもの頃は親戚のお下がりの服ばかり着ていた。もとからファッションに興味のない子どもだったから、翌日着る服を自分で選んでは親に「その組み合わせはない」「ダサい」「在所のおめかし」などとバカにされまくっていた。

実際、私のファッションセンスは終わっていた。

好きな色だからとブルーのアイテムでワントーンコーデを目指して青・紫・緑の沼地配色になったり、季節感を無視して冬でもキュロットスカートを履いたり、「クラスの子もこんな服を着ているから」とスポーツ少年団系同級生男子の服装を参考にしてジャージを着たりしていた。

小学校高学年にもなると、「中学の制服は紺色だから、今のうちに紺色を着こなせるように」と理由をつけて、紺色や黒の服ばかり着ていた。くせ毛を気にして髪をお団子にしていたこともあり、隣の席の男の子には当時放送していたドラマにちなんで「阿久津真矢」と呼ばれていた。天海祐希に似ていると思ってもらえたなら大変名誉なことである。

大学生になってからようやく自分で服を買うようになった。効率よく自分に似合う服を探すために、単発でパーソナルカラーや骨格診断、顔タイプ診断などのモデルを引き受けたこともあった。その結果、自分に似合うアイテムの傾向がわかった。

そして、あれが似合うのこれが似合わないのと色々やっているうち、「このレベルのメイクを毎日するのも、こんなオシャレ着を通勤の数十分のために毎日着るのも、自分には負担が大きいのでは?」と気がついた。朝はギリギリまで寝ていたいし、「毎晩お風呂で念入りに落とすのになあ」と思いながら毎朝顔に色々塗るのは、自分には諸行無常すぎた。

幸いにして今の職場はノーメイクの人もかなりカジュアルな服装の人もいるから、私もごく自然にノーメイクでカジュアルな人間として社会人をやっている。せいぜいが日焼け止めと、ベタつかないように粉をはたくくらいである。

ここまで滔々と語っておきながら、最近まつ毛パーマをかけた。おしゃれに目覚めたわけではなく、コンタクトレンズを入れる時にまつ毛が邪魔だから上げておこうという魂胆だ。まつ毛だけバチバチにカールしているとバランスがよろしくないので、眉スタイリングのセットメニューにした。

これがまあ痛いの痛くないのって、ものすごく痛い。施術中はふかふかのリクライニングソファに仰向けになっているのだが、痛みをこらえるために力が入ってずっと背中が反っていた。サロンから帰る頃にはすっかり背面がバキバキになっていて、意図せずこっそり筋トレに成功していた。

まつ毛にパーマをかけるお客さんはみんな美意識が高いようで、アイリストさんは毎日しっかりメイクしている前提で話を振ってくる。ビューラーが行方不明とは口が裂けても言えず、「朝の支度が楽になるかなと思って……」とギリギリのラインでの受け答えをしていた。

しかし背中は反っているし痛すぎて若干泣いているし、アイリストさんも色々察してくれたのだろう。どういう流れだったのか、いつのまにか美容トークからオタクトークに切り替えられていて、私は目尻から涙をこぼしながら「最近は行けてないですが、ライブに行ったら絶対ペンライトとパンフレットは買ってます」などと早口で喋る異様な存在と化していた。

まつ毛パーマをかけた結果、朝の支度は劇的に楽になった。コンタクトレンズが一発で装着できるだけでQOLが上がる。

施術は好きではないが、1ヶ月くらい便利なまつ毛になるならまたパーマをかけるのもありかもしれない。

3/25/2026, 2:16:06 PM