かたいなか

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「2023年3月から投稿をはじめまして、このアカウントも2年1ヶ月。3周年突破です。
はじめましての方はこんにちは、前々から見てくれてる方はいつもお世話になってます。
……っていうハナシも書こうと思えば書けるわな」

諸事情から二次創作の故郷を捨てて、「書く習慣」での一次創作投稿に「はじめまして」。
以降だいたい750日程度、ずっと物語を投稿し続けてきた某所在住物書きである。
先月「終わり、また初まる、」なるお題は配信されたが、それとは少々違うだろう。

「はじめましてか」
かきり、カキリ。物書きは小首を鳴らす。
連載の執筆は、いくつのはじめましてを前回投稿分と繋げられるかの連続だ。 今回はどうだろう?

――――――

前回投稿分で、うやむやにしていたおはなし。
昔々、だいたい十数年前のおはなしです。
「ここ」ではないどこかの世界に「世界線管理局」という厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこの法務部執行課の、「特殊即応部門」という部署の部門長さんが、
それはそれは美味い料理を、どっさり、しこたま、作る部門長さんでありました。

当時付いていたあだ名が「カロリーボマー」、
亡くなってから付いたのが「おたべおたべオバケ」、または「おたべの方のルリビタキ」、
あるいは「オカン部長」。
要するに美味しい料理を、どっさり、しこたま、部下に食わせる部門長さんでありました。

で、実はその特殊即応部門の部門長、
法務部内にこっそり、即応部門長専用の隠しキッチンと隠し冷蔵庫を仕込んでおったのですが、
このたび、全■ヶ所仕込んである隠しキッチンの中の3個が、部門長の上司にガッツリとバレまして。

隠し冷蔵庫だけでなく……もとい、
『隠し冷蔵庫はじめ、ましてキッチンまで』!

はい。無理矢理お題回収です。
こっそり法務部内に隠しキッチンを仕込んでいた部門長、上司の法務部長に大目玉です。
「アンタねぇ!ホンットいい加減になさいよ!!」

うぞぞぞ、ぬぞぞぞぞ!
管理局の法務部長、宇宙タコのオネェが怒りで腕をクネクネさせながら、即応部門長に言いました。
「アンタが法務部内に隠し冷蔵庫を仕込んでたのは報告で知ってたわよ!!その隠し冷蔵庫はじめ、まして今度は隠しキッチンまで!!
法務部は法務部であって飲食店じゃないのよ!!」

「だってウチは、特応は、早朝だろうと深夜だろうと、必要であれば緊急出動していく部署だぞ」
オネェ宇宙タコな法務部長に、当時の特殊即応部門長、一生懸命反論します。
「場合によっては、朝飯も食わず緊急出動で出ていって、昼飯抜きで、夜に帰還してくる局員だっている。そういう部下にだな……」
そういう部下に、上司としてメシを作って、仕事をねぎらってやるのは、大事だと思うんだ。
即応部門長がそう続けようとすると、

「その疲れてヘトヘトなときに!
アンタが『お食べ お食べ』って出してくるカロリーボムな爆盛り料理なんか!
食べ切れるワケないでしょって言ってんのよ!!」

うぞぞ!ぬぞぞぞ!
オネェ宇宙タコ法務部長、とうとうガチギレ!
「ともかく!アンタが隠してるキッチン!
見つけ次第1個だけ残して撤去するから!」

勿論撤去費用はアンタの給料から天引きよ!
ぷんぷん、ぷんすか!
オネェ宇宙タコ法務部長はそう言い捨てると、法務部長の執務室に帰って行きます。

「待て!まってくれ!キッチンを撤去?!」
ぬずぬずプンプン!執務室に戻る宇宙タコの、プニプニな足の1本にしがみつき、
特殊即応部門長、必死に泣きつきます。
「やめてくれ!隠しキッチンの設置代と整備費、全部僕の自腹だったんだぞ!」
それを自腹で撤去させられるなんて、あんまりだ!
あんまりだよぉぉ!!

即応部門長はそのまま、オネェ宇宙タコ法務部長の腕にしがみついて、結果として引きずられてって、
それからだいたい数時間、具体的には2〜3時間、
特殊即応部門に帰ってきませんでした。
「くそぅッ!こうなったら、冷蔵庫の方だけでも、ぜったいバレないようにしてやるぅッ!!」

――これが十数年前のおはなしでした。
それが、前回投稿分に続くおはなしでした。

「みつけた……コレが、七不思議に伝わる『隠し冷蔵庫』に違いないよぉ……!」
当時の特殊即応部門長が亡くなった現在、
法務部のあっちこっちに仕込まれていた隠しキッチンは、現在の特殊即応部門長たちによって、
多分全部発見されて、多分全部撤去されて、
「昔こういうのがあったらしい」というウワサと跡地しか残っていません。

ただ「隠し冷蔵庫」の方だけは、冷蔵庫の主な亡くなった現在も、ひっそり残っておりまして。
「はじめまして、隠し冷蔵庫さぁん!」
この冷蔵庫を引き継いだのが、まさしく前回投稿分で登場した、例の収蔵部局員さんだったとさ。

4/2/2025, 9:05:18 AM