不知火

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時が止まったような寒空。星空は凍った池のよう。叩き割ったら天の川からミルクが滝のように流れ落ちるのだろうか。
凍てついた星空。もし、もしもミルクがたくさん手に入るなら、かわいい猫たちをお腹いっぱいにできたのに。
氷の向こうの夜闇。けれど空を割る力はない。太陽に溶かしてもらいたくても、昼になれば天の川は消えてしまう。結局は溢れるほどの甘いミルクが隠されていると知りながら指をくわえて仰ぎ見るしかない。
ごめんね、お腹いっぱいにしてあげられなくて。
今夜は、ほら、朝が来るまで星を数えてあげる。
だから、どうか。安心して休んでね。

7/5/2023, 2:51:21 PM