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「第三話 隠された秘密」
「さて、こいつらは…」
(恐らくマフィアだな。面倒だ。でも、なぜ龍谷を?)
何かが動く音がした。凛が振り向くと龍谷だった。龍谷が起きたのだ。凛は、ほっとして龍谷に声をかけた。
「良かった!龍谷くん、大丈夫?」
だが返事がかえってこない。凛は不思議に思った。いつもなら明るく返事をしてくれるのに。そして龍谷が話し始めた。
「オレ二チカヅクナ!」
「!!」
凛は驚いて後ろに退いた。その声は優しい龍谷の声ではなく、低く威圧のある声だ。それに唸っている。まるで虎や龍のように。
「コロスゾ!」
龍谷は怒鳴り、辺りが不穏に揺らめいた。彼の腕には鱗が生え、長いしっぽに頭には角が生えた。普通の人が見れば恐怖で動けなくなるだろう。しかし、凛は冷静だった。真剣な顔つきをしていた。
「そうか…君が…」
悲しそうな声で言った。龍谷を哀れむように、そして自分の過去を思い出すように。
「大丈夫、君はまだ…」

      「人間に戻れる」

12/10/2023, 10:54:35 AM