その頃のことで覚えているのは、
毎日何かに腹を立てていたことだ。
「何だ、あの視線は、
馬鹿にしてんじゃねぇぞ」
「こんなことやらせてどういうつもりだ
許さねぇ」
「こんなことになったのは、
そもそもあいつらのせいだ。
いつか絶対…」
寝ても覚めても、怒りをぐつぐつ沸かせながら
生きていた。
何より、1番腹を立てていたのは
自分に対してだ。
わずかばかりの不満の声も挙げられず
大したことはできず、
賢くも
美しくも
強くもない。
腹を立てても喧嘩をする度胸はなかった。
この社会に不満を持っても、海外へ出るわけでもなかった。
そういう自分にうんざりしていた。
戻りたいとはあまり思わない。
もしあの頃の自分に言えることがあるとしたら、
目の前にあって
お前の頭や体で
何とか、やれていることを
続けてやるようにということだけだ。
憧れだけの夢とか
他人が憧れる美しい未来とか環境、
そういうものに騙されてはいけない。
そういうお綺麗なふわふわしたものは
経年劣化する。
幾千万もあった怒りも
嘆きも悲しみも飲み込んで
それでも現実にできる行動だけが
年月を味方にする。
今、出来ていることをやれ。
それが読書ならそれでいい
それが料理ならそれでいい。
それが落書きならそれでいい。
それが友達との会話ならそれでもいい。
それが文章を書くことならもっとやれ。
それがゲームでも、
それが恋愛でも、
ネットに向かって呟いて、
やった気になりながら、
何もやらないよりはそれをやった方がいいだろう。
口だけになるな。
頭で考えて、やった気になるな。
そんなことは、もっと後でもできる。
今できる、現実の行動をひたすらやるのがいい。
君が20才なら、
まずは、動け。
1/10/2023, 11:45:16 AM