どんなに離れていても、画面越しであれば通話や通信ができるようになった。
今後AIがその補佐をするようになってきて、ますます簡便になっていくだろう。しかし、繋がりやすくなったとは言え、その縁は長持ちしない。簡単に千切れやすくなったというか……、そのようなものだ。
とある日、とあるサイト、とある事情で。
ネッ友のグループが喧嘩別れとなった。
グループを構成する人数は6人ほどで、内4名は退会する運びとなった。残り2人は息をしていない。
突然だった。日記にて、ネガティブ病みの内容を繰り出して、「私たち2人は共依存関係になったの」と言った3日後に退会宣言を出した。第三者目線は「ぽかん」だった。
すべてはチャットサイトの中での出来事らしい。
元々、そのサイトは小説投稿サイトのようなもので、自分なりの小説や日記(エッセイ、活動報告)を発表するところだった。だが、年齢層が低い者には学タブが使えるサイトなら何でもいいのか、小説を書かず、ネッ友を募集してグループを作ったり、チャットサイトのリンクを貼り付けて馴れ合いしていた。
仲良くユーザーページに、グループ専用のチャットサイトのURLリンクを貼っていた。私たちは学生なので、夜に話しましょう。そう言って。
学タブには門限が決まっている。夜10時になると強制終了して朝まで使えない。8〜9時が、ゴールデンタイム。テレビなんてものよりネットワークを介したネッ友。
しかし、グループ結成から一ヶ月もしないうちに喧嘩別れとなった。
第三者は、無論グループ当事者ではないが、ことの事情を知りたくなった。不可解な不特定から、何か特別な事情を知りたかった。
グループメンバーの一部は、自分のユーザーページにて、件のチャットリンクを貼付けていた。公開レベルは全世界。きっと、学タブが全能だと油断しているのだろう。油断大敵よりも油断した操作者。
それで、難なくチャットサイトに行けた。休日の昼間だったが、幸いログインしているのはその人一人。
チャット履歴をさかのぼる。すると、なるほどと合点した。本来小説に対して感想を送る機能を使って、ネッ友たちはやりとりをしていた。
チャットサイトにて、喧嘩別れをして、裏垢を作った奴が半数だった。メンバーのうち一人が裏垢を作ったので、みんな作った。典型的な付和雷同。
それで、ある人が伝達した。この垢、実は〇〇っていう奴の裏垢で、あなたのことについて隠れて愚痴を言ってるよ。そうしたら、チャットサイトにて追及を行った。愚痴を言った・言われた人たちはリア友で、伝達した人はネッ友。全員がグループメンバーでチャットのメンバーでもある。
その後は、わりと典型的なものだった。
チャットが無理だから裏垢を作って愚痴ったのに、チャットにて仲良しごっこなんて無理な話だ。
本人に言えないから、裏垢で書いた。それが愚痴なのだと思う。愚痴の意図について何も考えず、伝えた人が良くなかった。見なかったことにしたらよかったのに。
結局グループにヒビを入れるのは病み投稿による闇討ちなんだろう。クナイを誰もいない壁に投げた所で、その後、そのクナイを抜いて、本人に投げる奴の可能性を考えないと。
クナイを投げた者……共依存関係の者たちが退会を宣言したのは、一方が辞めると言ったからだった。あなたが辞めるなら、私も辞める。こんなサイトに思い入れなんてない。それで2人は駆け落ちと。
第三者はそのことを知って、共依存について考えることにした。共依存はきっと、人間をロボットにさせる邪悪な存在だ。共依存宣言をした時点で、ネッ友ではなくなったのだ。ネッ友以外の、傷つける何かになったのだ。
まあ、小説投稿サイトで小説を作らない奴の結末なんてどうでも良いことだ。共依存のうちの一人は小説を作っていたが、ネッ友を募集した辺りでおかしくなってしまった。小説以外に躍起になり、小説が書けなくなって自己嫌悪。
親密になることで自分を見失うとは、滑稽。
4/27/2025, 9:24:27 AM