ギィ、キィと錆び付いた不協和音は私の中で残響となってさらにざらつかせていた。
私の性格なんて私自身が一番よく知っていて機嫌の取り方だって心得ていたのに。もう大人のはずが気が付けば八つ当たりをしていた。余計な一言が口から飛び出し、友人が傷付いた顔をして我に返った。足早に去った彼女に謝るタイミングすら見失い、ささくれだった心のまま家へ帰る気にもなれなかった。
風に当たろうと帰り道の公園の寂れたブランコに揺れている。太陽はすっかり沈んでいた。街灯が近いから影は濃く、私が揺れれば影も後を追う。子どもの頃は嫌な気持ちになってもブランコで遊べば吹き飛ばせたのに何も変わらない。
寒さで氷のように冷たくなった鉄、劣化して剥がれかけた塗装の上に座っているからかもしれない。どうにも気持ちの整理がつかなくて情けなくて、ブランコの一部になった気がして、ギィ、ギィと気が済むまで揺れていた。
2/2/2024, 9:17:29 AM