【誰もがみんな】―新シリーズ―※長文注意
「誰もがみんな、お前じゃないんだよ」
昔の親友に言われた、黒い言葉。
もう、とっくに昔のことだけど、俺の心の中ではずっと刺さって抜けない。
ただ、人より勉強ができた。ただ、人より運動ができた。だだ、リーダーシップがあった。
ただ、少し人より良く生まれてきた…らしかった。
でも、俺も、皆と同じなのに。
グループで活動していて、俺はリーダーだった。
テキパキと班員の意見を聞きながら、的確に指示をしていた。
なのに、一人だけ、俺が課した課題をせずに、遊んでる奴がいた。
1、2回位ならまだ分かる。次回からやってきてね、と言って、俺がそいつの課題をする。
でも、何回も、何回も…
だから、ある時言ってしまった。
「なんで、やってこねぇんだよ!誰がやってると思ってんの?皆に迷惑掛けてんだよ!」
俺が怒鳴ってしまったことをきっかけに辺りはしんとしてしまった。
他のグループから駆けつけてきたのだろうか。俺の親友が近づいてきた。
聞いてくれよ、と口を開こうとしたところで、
「……お前、それはないよ。」
「は?」
親友の口が先に開いた。突然なことで俺は思わず声を出した。
「泣いてんじゃん。気づいてやれよ。」
「いや、そいつがやんないんだし自業自得でしょ?」
「可哀想の気持ちもないとか……お前が無理な課題を出したからだろ?」
「俺は班員の皆と同じくらいの量と難易度の課題を出した!あいつが遊んでたから…」
「誰もが!」
今度はしっかりと俺の目を鋭く睨み、振り絞るような声で言った。
「誰もがみんな、お前じゃないんだよ。自分中心に考えんな」
「なんだよ……なんだよ!それ…」
でも、周りの目は冷たくて、冷たい言葉を浴びせられて、あの日は学校を飛び出したんだっけ。
次の日学校行ったら……、
「瀧ぃ!起きてくれ!頼む!えのきが!えのきが!」
「えのき言うなや!榎本や!」
「おめーら静かにしろや。ここ、喫茶店だよ?一応。」
騒々しさが耳に飛び込む。次にコーヒーのいい香りが鼻に掠める。
そっか。俺、寝てたんだ。
もう、あの息苦しいところじゃない。
もう、俺だけを別として扱うところじゃない。
「あ、瀧君起きた。」
「おーはよ」
俺には、居場所がある。絶対に、裏切らない居場所が。
「ん。おはよ。」
新シリーズ【喫茶店の薫り】(ネタがなくなった時に、この子達の小説を書きます。どうぞ、うちのコ達をこれからもよろしくお願いします。)
2/10/2026, 11:07:13 PM