あれだけ悲しいと、苦しいと思い続けた。なのに他者が悪いと、世界が悪いと言えなかった。瞳を閉じると、自分こそが全ての悪だと唱えていた。柔らかい布団の上で、異物の己を嫌っていた。他の全ては柔らかくて、整頓されて、明るい色だと信じながら、瞼の裏を見つめていた。
1/24/2025, 4:53:37 AM