絵画のちょっとしたコンクールで優勝した。
コンクール前は夏休みだったので、おばあちゃん家に行って描いた。毎日、毎日、毎日。
お父さんは今日も帰らない。
おじいちゃんは絵の具を買ってくれた。
おばあちゃんはいつも夜ご飯を作ってくれる。
お母さんのご飯は最後にいつ食べたか分からない。
僕はまだ子どもなので、この気持ちをなんて言えばいいか分からない。
ただただひたすら今度こそ喜んでもらいたくて、スケッチと向き合う。
「優勝」と言われた絵の、空の青いところにぽたりと涙が落ちた。
涙が空に溶ける。
―空に溶ける―
5/20/2025, 12:48:56 PM