帰り道、湿度の高い駅までの道のり。
ふと、懐かしい匂いがした。
たぶん、2〜3年前によく使っていた
柔軟剤の匂い。
前を歩く誰かの服から、
ゆるやかに広がって鼻腔に届いた。
にぎやかだった記憶の中の夜
いまは距離があいた人が隣りにいたことを思い出す。
鼻が詰まるような、胸がいっぱいになるような
居心地がいいような
いますぐ逃げ出したくなるような夜
もう会うことはないのね、さようなら、と
ありがとう、これからよろしくね、の夜
もう二度と味わえないような、
これから幾度となくくるような、
もっとワクワクするような、
本当につまらない大したことのないような、
そんな夜が明日も来る。
7/15/2025, 10:59:38 AM