『まだ見ぬ景色』と同じ人物で逆視点です。
良ければそちらも読んでみてください( ᵕ ᵕ )
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『あなたのもとへ』
「あなたが待っていてくれるなら、私は必ずあなたのもとへ帰りましょう。」
「ふふ、それじゃあ私は何があっても待っててあげないとね。」
君とした約束だ。
身体が重たい。
寒い。
「…早く帰らないと」
彼女は無事だろうか。
早くあなたに会いたい。
頑張った僕をいつものように抱きしめて、
温めて欲しい。
あともう少しで会える。
血が足りないのか視界が霞む。
もうすぐそこだ。あと少し…
君は約束の場所にちゃんと居た。
良かった…怪我はなさそうだ。
彼女は倒れそうになった僕を受け止めたが、
支えきれなかったのかずるずると地面に座った。
そして膝枕のようにして僕を寝かせてくれた。
彼女は泣いていた。
自分で思っている以上に僕の体はボロボロで
冷たいのかもしれない。
僕のせいで泣かせてしまった。
「あぁ…泣かないで…僕、君の笑ってる顔が好きなんだ けどな..」
いつものように笑って欲しかった。
せっかく君にまた会えたから。
あぁ、身体が冷えていく。声が上手く出せない…
怖い。
死ぬことよりも、
あなたに会えなくなってしまうのが怖かった。
突然だった。
彼女は僕が持っていた剣を手に取り、
自ら自分の額を切り裂いた。
僕は彼女が何をしたいのか分からなかった。
ぼたぼたと血が流れていた。とても痛そうだ。
しかし彼女は自分の傷を気にすることなく
僕の額の傷に優しくキスをした。
少しくすぐったい。
僕が戸惑っているのが分かったのか、
彼女はふっと微笑んだ。
「これでお揃い。」
「私ね、聞いたことがあるの。負った深い傷は来世痣になって現れるって。きっとこの傷が、次の私たちを導いてくれる。」
「でも…あなたの傷はここだけではないけれど...」
彼女の大胆さに驚いて、少しだけ固まってしまった。
なんだか怯えていたのがバカみたいだ。
もう、怖くなかった。
彼女は僕に印をくれたのだ。
あなたのもとへ 導いてくれる印を。
それにしても大胆すぎるよ。
僕のためにそんなに痛そうな傷を作るなんて。
君のその綺麗な額に…
でも彼女らしくて愛おしくてなんだか笑えてきた。
「はは、なかなかやるねぇ...ごめんね。
でもありがとう。これで来世で君を探せる。
きっと...いつになるかは分からないけど絶対
会いに行くから。」
僕は残っている力で彼女をぎゅっと抱きしめた。
彼女はとても温かい。もう、寒くない。
幸せだ。
あぁ…僕は、本当に心から君を……
「愛しているよ。」
1/15/2025, 3:58:22 PM