か細い声で、必死になって鳴いているあなたを見つけたのは完全な偶然だった。
薄汚れた小さな段ボールの中で、私の両手のひらくらいしかない小さな小さな身体全部を使って、懸命に生き延びようとしてるあなたが、あんまり可哀想で、それであんまり可愛いから、無理を言って家族に迎えてもらったのをずっと覚えてる。
抱き締めた体は小さくてふわふわで、暖かかった。
「みぃ!みぃー!」
「なあに? みいちゃん、ごはん?」
みいみい鳴くからみいちゃん。
我ながら安直な名前。でもかわいいよね?
寒い日は、もう寒くないようにって一緒に寝たね。いつの間にか、私があなたを連れてくより早く、お布団にスタンバイしてるときもあった。
すごく嬉しかったよ。
みいちゃん。
みいちゃん。
「大好き、」
私の涙声の後、小さな声でみいちゃんが鳴いた。
「……いかないで」
ふす、と小さく鼻を鳴らす。
みいちゃんのお腹を撫でる私の手を、尻尾がするりと撫でていった。
ねえ、みいちゃん。
あなたと、わたし
『また会いましょう』
11/13/2024, 11:38:57 PM