「私はね、あなたがいたから今ここまで明るい性格なんだよ」
そう言って彼女はニコッと微笑んだ。そんなの、俺だって同じ気持ちだ。もしあの時彼女と出会わなかったら、俺は一体どうなっていたのだろうか。
俺が幼い頃、自分の殻に閉じこもっているような性格だったのだ。臆病すぎて一歩先に進むことも出来ず、今のままでいい、と何もかもを拒んでいた。このままだったら、自分の居場所すら失っていただろう。
しかし、彼女が俺に優しくしてくれてから、この人と一緒に居たい、この人のことを守りたいと強く思うようになった。それから臆病な自分も克服し、彼女を支える存在にまでなることができたのだ。
「俺も、貴方がいたからここまで強くなれたんですよ。これからも、ずっと傍にいさせてください」
「もちろん、ずっと一緒だからね」
そう言って繋いだ手の温もりは、何よりも温かくて、幸せだった。
テーマ「あなたがいたから」
6/20/2024, 10:40:04 AM