街が見下ろせてしまう程の高さの丘の上、
君達と並んで星を眺めている。
失ったものが多かった。でも、得たものも確かにあった。辛くも楽しい人生だった。
目を閉じると巡るは満たされた日々。
君達と過ごした楽しい日々。君達と壁を乗り越えた日々。
僕は大きく息を吸って歌う。
僕の中にある感情全てを歌にして。
辺りに響くのは僕の声、そして彼等の呼吸音。時折しゃくりあげてるのは気のせいかな。
-全部終わった。逃げたいと思う程に厳しい戦いが。僕達はもう自由…の筈だった。
戦いは終わった、終わった途端に街の人間の怒りの矛先はもう居なくなった敵から僕らに変わった。逃げて逃げて逃げて、やっと辿り着いた。皆で辿り着けたのは奇跡だと思う。
-だから、絶好のチャンスだと思うんだ。全てを終わらせる為の、この地獄から抜け出す為の。
僕らは笑顔でこの地獄から静かに消えていく。
落ちて墜ちて堕ちていく。
僕らは輪廻転生を繰り返す。
これはその内の1つでしかない。
『「来世は今世よりも幸せでありますように」』
星が輝くある日の夜。5人の少年が宙を舞った。彼等は幸せそうな表情で、この"地獄"から旅立った。
--これが彼等にとっての
本当のハッピーエンド--
3/29/2023, 12:13:38 PM