鈴桜

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あの日、共に生きる未来を語った君はどこにいるのだろうか。


「私ね、彼氏できた。」

親友から突然発された言葉で私の周りの時間が止まる。


―――
――

「大学卒業したらさ、一緒に住もうよ。」
「マンション借りてさ、家具の系統も揃えよう。」
無邪気に話す君。

人の気も知らないで…と内心苦笑いしながらも、共にその輝く未来に思いを馳せた。

――
―――



はっきりとは言葉にしなかったけれど、心のどこかで君も私と同じ気持ちだと思ってた。

でも、そっか。そうだよね。

私が男だったら…なんて叶うはずもない妄想をしては胸が締め付けられ、それでもまた願う。



私の中で途方もないほどの時間が流れたあと、精一杯の笑顔で言った。
「…よかったじゃん!幸せになってね。」




「…ばか」
君を見送ったあと、泣きたくなるような清々しい青空に向かってそっと呟く。



君の未来がこの空のように晴れやかでありますように







『遠くの空へ』

4/13/2023, 8:38:26 AM