てふてふ蝶々

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10代の頃は、私が死ぬ日は、夏真っ盛りの晴天で、遠くに入道雲がみえる天気の日。
テレビからは、猛暑から酷暑に変わったとか、異常気象だとかの音が聞こえている昼近くの午前中に、高いビルから飛び降りて数秒のスカイダイブをして死にたいって思っていた。
20代になると、30歳ににはなりたくないと漠然と考えるようになり、それは死ぬ事より老いる事の方が怖かったのだと思う。
しかしながら、夏の日の暑さ、陽の強さ、夏休みを期待する若者や、暑さに耐えながら働く人。木々の青々とした生命力。そんな人の日常に、飛び降りてぐちゃぐちゃになった自分の体をどこかの誰かに片付けてもらうのは忍びないと思うようになった。
だから、死ぬ方法は、人になるべく迷惑をかけない方法で。病死だったらいいなぁって考えるようになった。
なりたくないと思っていた30才は気が付かないうちに訪れた。
20代で子供を産んだから、自分の年齢を気にしなくなったのだ。気付けばなりたくなかった30代。
子供は可愛い。自分の命なんか吐いて捨てたいけれど、この子には私が必要なんだ。今のうちは。
だから、この子が私を必要としなくなったら死にたいと思う。
季節なんていつだっていい。
ただ、この子に迷惑だけはかけまいと。
それでも願う。私が死ぬ日は、夏の始まりの晴天の日だだったらいいのになって。
だって、私はそんな日に生まれてきたから。
私の子供は春に生まれたから、子供の生まれた日を祝った後に死ねたら幸せだ。

6/28/2023, 10:39:45 AM