moooosha

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「実はミッキーマウスなんです」


唐突すぎる告白に
動きが止まった。


「え、嘘でしょ?」


よくないクセだ。
明らかに相手は
嘘をついていないのに
そう聞き返してしまった。


「いや、あの……」


「ごめん、嘘ついたとは思ってない」


「はい……」


確か私は
軽い気持ちで
「休みの日何してるの?」と
尋ねたはず。
休みの日にこそ
ミッキーマウスを?
夢の国の従業員?
あまりに過酷すぎやしない?
そんなふうに1人
質問したいけど
何から聞けばいいかわからない
状態を悶々としていたら



「アハッ!」


「ちょっ、え?」


電話口から聞き馴染んだ
ミッキーマウスの声がした。


「ほんもの!?」


「君がそう思うのならっ!」


「えー!!ちょっ!普通に喋って!」


「あ、はい、すいません」


「いきなりすぎて笑うよ、こんなの!
 本当に、ほんものなの?!」


「いや、あの…にせものです」


「それはそれで似すぎててびっくりwww」


「ぼく、休みの日は配信をしています。
 ミッキーマウスってハンドルネームで」



え、なんで?


元々ディズニーランドが好きで
ミッキーマウスは僕のヒーロー…
いやリーダーだったんです。


ミッキーマウスは
みんなのリーダーだよww


あ、たしかに、そうですねww


で?


単純に、ミッキーマウスに憧れてて。
いつもニコニコ笑ってるし
元気いっぱいくれるでしょ?
配信を始めたのは
友達増やせって幼馴染にいわれて
あ、そいつ引っ越しちゃうから。


そうなんだ、寂しくなるね。


うん、だから。
配信なら彼も見に来てくれるし
どうせならなりたいものになろうって
思って。


で、そのクオリティ?ww
やばすぎwww


アハッ!あ、ごめんなさい
褒められるとたまに出ちゃうんです。


いいよ、おもしろいからww
続けて?


ありがとうございます。
あのそれで、配信を始めて
それなりに認知されてしまってからは
休日はミッキーマウスとして生きてます。


どんなことをするの?


絵本の朗読をしたり
人生相談にのったり
歌を歌ったりもたまに。


さすがミッキーはなんでもできるねww


いや、本家のミッキーは本当にすごいんです!


ふふふ。


……。



ねぇ、ミッキーマウス?


なっ……ゴホン。なんだい?


私、あなたのミニーになりたい。
お友達から初めてみない?



告白は私からした。
マチアプは暇つぶしだと思ってた。
でも、まさかミッキーマウスに
出会えるなんて思ってもいなかった。
私だけのミッキーマウスに
会えると思っていなかった。



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〈誰にもいえない秘密〉
少なくとも、ディズニー界隈では
色々やばそうなので、秘密ってことで🤫㊙️

6/6/2024, 6:23:52 AM