胡座孝太郎

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君が初めて笑った時、世界が僕のためだけに微笑んだようにも感じた。
君のためならば、僕の持つ全てを捧げても良かった。
君はまさしく天使そのものだった。
僕はその眩しいほどの笑顔を写真に写した。

君は彼女に似て儚くも強い芯を持っていた。
君が彼女のように近所の男の子と大喧嘩した時は驚いた。
転んで擦り傷をたくさんつくっても泣かなかった。
僕はその強がってそっぽを向くお転婆な君を写真に写した。

君は学校でも人気者だった。
誰よりも好奇心旺盛で、誰よりも明るかった。
それでもやっぱり隣の彼とは喧嘩していたけれど。
僕は少し恥ずかしがる可愛い君を写真に写した。

僕と同じ背丈になるまでそれほど時間はかからなかった。
僕の背中が萎れただけかもしれないけど。
君と彼は相変わらずだったけど、誰にでも優しくできる子になった。
僕はどんどん綺麗になる君を写真に写した。

君は誰よりも美しく成長した。
君と彼が並んで笑っている。
僕は彼女のその笑顔が滲んで見えなかった。
白いウェディングドレスに身を包んだ君を僕は写真に写した。
君の笑顔は僕の宝物だった。

『変わらないものはない』

12/26/2022, 3:45:30 PM