こねずみのリックは言いました
雨が降ろうが槍が降ろうが
たとえ火の中水の中
嵐が来ようとも
猫に追い回されようとも
僕には使命がある
亡くなった父さんの代わりに
いつかでっかいパンの耳のかけらを
取ってくるんだ!
ここの人間は
パンの耳をよく落としてくれる
だから
誰もが眠りこけた朝方3:00
僕は行かなければならない!
あのテーブルの元へ!
ここの猫はようく僕ら家族を狙うから
気をつけて行くんだ!
あのテーブルの元から
パンの耳のかけらを
取ってくるのは至難の業だ
でも僕は行く
行くんだ!
父さんの名誉のために!
そして弟達と母さんのために!
こねずみのリックはそう言うと
小さな身体をぶるっと震わせて
人や猫の気配を匂いで嗅ぎ分けて
近くに居ないか確認しました
…匂うぞ まだ居る
あの猫め…
こねずみのリックは壁の隙間から
部屋の中の様子を窺います
あの猫…さっきからジッとして動きやしない!
僕らのことを見張ってるのかなぁ
パンの耳があるからいつもより用心深いんだな…
こねずみのリックは眠る事にしました
ひとまず寝るかな
あの猫が離れるまで…
お母さん 明日は冒険に出るから
起こしてね…おやすみ…
おやすみなさいリック
今日もお疲れ様でした
7/29/2024, 10:27:05 AM